「概出」はネット上で作られ広まった用語で、「既出」(きしゅつ)に漢字が似ている事から同じ意味で使われているものの、正式な日本語としては存在していない言葉です。
既出が正しく、概出は間違ってい事を知っているユーザーが使っている場合が多いですが、あまりにもネットの様々な場所で使われ普及しているため、特に若い世代では実際に「概出」という漢字が正しいと思い込んでしまっているユーザーが一定数存在していると考えられます。
既出の意味は「すでに出ている情報や示されている事」です。
既は「既(すで)に」という訓読みがあり、概は「概念(がいねん)」とか「概要(がいよう)」の漢字をよく見かけ、訓読みだと「概ね(おおむね)」です。
概出の使い方と意味は既出と全く同じで、以下のような表現があります。
- 概出ですがこちらの方法はどうでしょうか
- もうとっくに概出だろ
- 概出でしたらすみません
- そのソースはがいしゅつ(なぜか変換できない)じゃないですか?
- 概出のとおりです
この既出を概出として使う書き込みは、ネットではかなり古くから存在しており、遅くとも2000年代前半にはネット掲示板の2ちゃんねるで時々見られました。
当時は既出と概出を本気で間違えているユーザーが多かったものの、少しずつこれをネタとして使うようになり、わざと誤用しているような書き込みが増えてきました。
また以前は概出と書き込んだ人に対して「既出な」と訂正してくれる人も多かったですが、今はあまり見かけずそのまま流される事がほとんどです。
なお、このような「知っていてわざと間違えて使う言葉」という意味で似ているのが「なぜか変換出来ない」というネット用語です。
「せんたっき(なぜか変換できない)」のように、正しくは「せんたくき」であり「せんたっき」では変換出来ないのを知っていながら冗談で書き込みます。