「ディスる」は悪口や侮辱、けなす、バカにしたりするという意味で使われる用語で、英語の「disrespect」(ディスリスペクト)から由来しています。
尊敬の意味がある「respect」(リスペクト)に、否定や反対の意味を持つ接続し「dis」を付けた言葉です。
「ディス」単体だけでなく「ディスる」「ディスってる」「ディスった」「ディスられた」などの表現があります。
表記については「ディスる」の他「disる」「dissる」や稀にひらがなで「でぃする」などが見られます。
書き込みの場合はわかりますが、言葉で言っているのを初めて聞くと「ジス」「デス」のように聞こえたり、何をいっているかわかりづらいですよね。
ネットでは2000年代前半位から使われている古い用語の1つで、一部のコアなネットユーザーが2ちゃんねる(現・5ch)などの掲示板やSNSへ書き込んだり。ニコニコ生放送で生主(配信者)が使っているのみでしたが、2014年頃からはネット以外のリアルの世界でも使われるようになり、その後はテレビや雑誌などでも見かけるようになる位に普及しています。
以下のような使い方があります。
- ディスったよね?
- なんであの人のことディスるの
- 軽くディスっちゃった
- ディスりまくりだろ
- 完全にディスられたなー
- それディスってるように聞こえるよ
もともとはアメリカのラップやヒップホップ界隈で古くから使われていて、他のアーティストの批判や侮辱を歌詞の中に込めリリースし、その相手もディスってくるなどのディスり合戦が繰り広げられていました。
特に90年代は訴訟が起きたり東海岸と西海岸のグループで揉め事や抗争(ビーフ)が多発し銃撃されるなどの事件も起きています。
なおアメリカではディスのスペルはsを1つ付け加えた「diss」が使われることが多いです。
日本のヒップホップ界で有名なものとしてはラッパーのZeebraさんとドラゴンアッシュの降谷建志さんとの間に起きた事件が挙げられます。
Zeebraさんが所属する「キングギドラ」が2002年に発表したアルバム「最終兵器」に収録されている「公開処刑 feat.BOY-KEN」で、突然ドラゴンアッシュの降谷建志さんを痛烈にディスります。
それまで降谷さんはZeebraさんの事を心から尊敬し慕っていて、1999年に大ヒットした名曲「Grateful Days」でも「Dragon Ash featuring Aco, Zeebra」名義でリリースするなどそれまで2人の関係は良好でしたが、この曲のリリースにより修復不可能といえる状態にまで崩れ去ることになってしまいます。
話をディスの解説に戻すと、2018年現在では特に芸人さんなどを中心にテレビでも頻繁にディスという言葉を使っており、ネットをやってない人でもある程度知っている人が多いです。
一時的な流行ですぐ消えるとは思えない程長く使われているので、今後も知名度が上がっていくと考えられます。